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詰みかけのゲームみたいな世界に迷い込んで1-11

†††1-11

俺は微妙にまずい何か黒い液体を飲むふりをして、少女の話を半分くらい聞きながら少女の顔を眺めていた。
「・・・・・・大丈夫?ぼうっとしてるけど」
「!!大丈夫大丈夫。ちょっと寝不足で」
「そう。ならいいけど」
少女は自分の分の飲み物をちびりと飲んだ。
「まずい茶ね・・・・・・。こほん、レジスタンスっていうのわね、世界中にいる魔物を片っ端から倒していく人の集まりよ」
ふんふんとうなずく。
「今ね、この町でその気のある人を募ってるの。それであなたに出くわしたってわけ」
「へえ、奇遇だね。全部で何人くらいいるの?」
「全部で数百人いるわ」
「思ったより多いな」
「熱意のある人が多いのよ。戦況だってちょっとずつ良くなってきてるわ」
「前に会った人はもうおしまいだ、みたいなこと言ってたけど?」
少女は一瞬詰まったがすぐに、最近変わったのよ、と言った。

しばらく俺がレジスタンスについて聞いた後で少女は聞いた。
「ねえ。あなたはこのまま何もしないでいるの?それともあたしたちとこの世界のために戦いたい?」
そう望んであの山を出てきたわけだがこうやって選択肢を目の前にぶら下げられると即答できなかった。
「・・・・・・考えさせてくれないか。少しでいいんだ。長くは待たせない」
少女が、えっ、という顔をした。予想外、だったのだろうか。
「まだ決めるべきじゃない気がするんだ。他のレジスタンスもあるって言ってたよね。そこでも話を聞こうと思うんだ。いいかな?」
少女はまだ信じられない、とでも言うような顔で俺を見ている。俺の顔に何か付いているのだろうか。
「?・・・・・・じゃあ、俺は行くよ。あ、支払いはどうしよう?」
と間抜けな質問をレディにしてしまった時、少女が口を開いた。
「・・・・・・入ってよ」
俺は少女のその声色に凍り付いてしまった。低く、呪うようなトーンだった。
「入ってよッ!」
そう言ってチラシを押しつけようとする。俺は思わずその手を払いのけてしまった。
「・・・・・・ッ!」
「なにをするんだ!」
俺は怒鳴ったが、少女は払いのけられて床におちたチラシを凝視していた。
そして、
「あんたに」
震える指で俺を指し、怒りに満ちた目をして俺に言った。
「・・・・・・勝負を挑むわ」

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