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北の海の魔女 55.0

†††55.0

「だが条件がある」
王様の声が少年の頭に響く。
「条件・・・・・・とは、どのような?」
王様は値踏みするような目で少年を見つつ言葉を継いだ。
「北の海の魔女の元へ向かうのは容易じゃ。わしらも島に上陸することまではできた。しかし、じゃ」
そこで王様は指をいじり始め、顔つきを険しくしていった。
「どれだけ探しても奴の居所が一向に見つからん。そしてとんぼ返りじゃ」
当時のことを思い出したのか王様はついに苦々しげな顔になった。
「策はある」
王様は表情を変えず、うつむいたままそう確固たる口調で言った。
「『盾』を使う。さすればあの妙な魔法も意味を為さん」
『盾』とはなんだろう、と少年は思った。
しかし、王様は話を続ける。
「だのに、この大臣連中が出征をしぶるのじゃ」
王様は座っていた腰掛け椅子に深く座りなおした。まるで意欲を削られた、とでも言うように。
「王様」
大臣連中の一人が一礼をして辞を述べる。
「また出征なさって、万一、再び見つけだすことすらできなければどうなりましょう」
「左様でございます、王様。国民はまたもや我々をあざ笑うでしょう。魔法使い一人満足に退治することもできない、と」
「何だその言いぐさは!無礼であろう!」
「事実を申し上げただけのこと!口を挟まないでいただきたい!」
「よさぬか!御前であるぞ!」
最後に少年に助けられた男が二人を諫めた。
「陛下、一つ質問がございます」
男が王様に礼をして述べた。
「申せ」
「先ほどの条件、とは?」
「うむ・・・・・・。まさにそれじゃ」
王様はもたれていた身を起こし、少年に挑むように身を乗り出した。
「そなた・・・・・・、戦に出よ」

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今回のはなしの中で実は少年は王様の前でずっと片膝をついています。
しんどいですね。
あ、『盾』の説明はそのうち。ま、ひっぱるほどのことでもないんですけどねー。

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