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詰みかけのゲームみたいな世界に迷い込んで2-4,2-5

†††2-4
「娘さんです」
俺は病室の外で医者が彼女の両親にそう言うのを聞いていた。
彼女の母親が泣き崩れた。父親は遺体に近づいておそらくは顔の白い布を取って確認したのだろう、そこで彼も泣いてしまった。
一人娘を亡くした親の悲痛な泣き声が聞こえてきて、俺はいたたまれなくなって廊下の向こうまで飲み物を買いに行った。だが、そこまで泣き声は聞こえてきた。

†††2-5

半年がたった。俺はあのショックから半分ほど立ち直っていた。しかし、今でもあのときのことを思い出すと心が締め付けられて何もできなくなる。
このままではいけない。もしもあいつが俺のことを見守ってくれているとしたらこれでは安心して成仏もできない。
そこで俺は踏ん切りをつけるべく、彼女に関する思い出の品を、もちろん捨てるわけではないが、整理することにした。
すると、出るわ出るわ。あいつとは小さい頃からの幼なじみだったから、その時間の分だけたくさんの思い出が出てきた。
写真や、あいつがくれたプレゼント、手紙に交換日記。挙げ句は一緒に見に行った映画の切符なんかも出てきた。
あふれでる思い出を涙を流しながら整理していく。不思議と気持ちも整理されるような気がした。
しかし、心の底では何かが違うような気がしていた。

そして、俺は一枚の写真を見つけた。ある時ゲームセンターで撮ったプリクラだ。『ずっと一緒!!』と書いてある。
これを見てビリッと電流が走った。
そうだ、俺はこのときはっきりと思ったんだった。生涯こいつの傍にいる、と。決意したはずだ。
なのに。
なのに。
俺はこの約束を忘れていた。
あろうことか目の前で彼女を死なせてしまった。
俺は・・・・・・。

このときの俺にはたった一つの答えが光明に見えた。花蓮は絶対に俺にそんなことをしてほしくない、と言うだろう。しかし、それでも俺は花蓮の傍にいたかった。
それだけだ。

†††
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