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北の海の魔女 61.0

†††61.0

時間は少し戻って、アヴィン城からアヴィンの関所へと向かう道中。

「ねえ、ホルトゥン」
「なんだい?」
少年はぼきっ、と森から拾ってきた薪の枝を適当な長さにそろえている。一方で魔法使いは火打ち石で火を点けようと奮闘していた。
「君の魔法って幻影、ってやつでいいの?」
「ああ。皆『幻影(ファントム)』って呼んでる。ついでに僕のことも
ね」
そこでようやく火の粉が上手く燃えやすい枯れ草につき、小さな火ができた。
ほっとしてわずかに肩の力を抜くホルトゥンに少年は忠告がてら話を進める。
「油断しちゃだめだよ。・・・・・・『幻影』についてちゃんと説明して欲しいんだけど」
「そうだね。一度話しておくべきかな。関所に着く前に」
ホルトゥンがようやく付いた小さな火に大きな薪をくべようとしたところ、少年が横からその薪をひょいっと取り上げた。
「こんな大きなのからくべたら火が消えちゃうよ。最初は小さいやつからでないと」
言いつつ少年は先ほどから整えていた薪の中からいくつかを選んで火にくべた。
「へえ、そうだったのか。よく知ってるね」
「まあ、伊達に長いこと旅をしてないからね」
少年はほんの少し自慢げにそう言いました。

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