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ドレス&タキシード! 2-3

†††2-3

「あー・・・・・・。えーっと、どうしようかな。今のが我らがメイドのA、B、Cです。Dはいません。飛んでEが加わります」
執事はヒースの逃亡でしいん・・・・・・、とした場の雰囲気の中無理矢理進行を進める。

再び静寂に包まれかけた時、執事はゆっくりと指を上げ、
「本当の自己紹介をお願いします!!A,B,C!!」
と彼女たちを順に指さした。

そして執事にA,B,Cと指をさされたメイド達は、いきなりポーズを取った。期待に目を輝かせるその他の家臣と何が起こっているのか全く理解できていない新入りメイド、エリーが対照的な光景だった。


「誰もが一目おいてるメイドの長!アリエル・A!」
「誰が呼んだか暴言メイド!いつか返上、目指してる!ベロニカ・B!」
「誰であろうと私は味方!天使の微笑みばらまくわ!クリスん・C!」

ばーん!と三人は各々のABC文字のポーズをとって、締めくくった。

「・・・・・・はい、ありがとうございました。続きまして、」
「拾えよ!!!!!」
B文字がポーズをとったままで執事に向かって叫んだ。
「しばらくしたら考えますよ、ベロニカ・B」
「今やらないと意味がねえだろうがよ!」
そこでC文字がB文字をなだめに入った。
「まあまあ、落ち着いてベロニカ」
「クリス、あんたこそ落ち着いてないで・・・・・・、ってあんたすごいわね、その格好。ずっとそのままでいたの!?」
クリス、いや、クリスん・CはC文字担当である。
「ばかなッ」
「あの体勢を長時間維持するだと!?」
「奴は化け物か!?」
家臣たちが口々に彼女を評しても、C文字は微動だにせず、B文字の言葉に応えた。

「当然じゃない」
「・・・・・・あんたこういうの結構好きよね」
「えへへ、ありがと」
「褒めてないからね!?」

「・・・・・・はーい、というわけです。これでメイドの紹介は終わりです。他の家臣達にも自己紹介させようと思ってましたが時間の都合もありますので、これでお開きにしましょう」
「なにい!?あたし達だけにこんなことさせてお開きだあ!?てめえ、執事!時間の都合ってなんだ!言ってみろ!」
執事のやる気のない発言にB文字が抗議の声を上げた。
「え?えーっと、そうですね・・・・・・、あ!このままでは姫様のお体が冷えてしまいます。それはいけません。早く中に入らないと」
「最初のタイムラグは何だ!あと、今は夏だ!腹が冷えるか!」
「ああ、そうですね。・・・・・・熱中症になってしまいます」
「大丈夫だよ!姫様はパラソルの下でアイスティー飲んでるから!」
「いえ、私たちが熱中症に」
「てめえ、私たちに向かってよくそんなことが言えるな!」
しんどい姿勢のまま断固抵抗を続けるB文字は叫んだ。

しかし、そんなB文字の肩にぽん、と手が置かれる。
それは共に戦場を駆けたAとCであった。
「もういいのよ、もう・・・・・・」
「ベロニカ、もうやめて・・・・・・」
「メイド長、クリス・・・・・・」
B文字は感動の涙を・・・・・・流さなかった。
「なんでポーズ解いてるのよ!」
「だってしんどいじゃない♪」
と一番楽なポーズだったはずのアリエル・A。
「飽きたわ」
とドヤ顔で宣言するクリスん・C。

あーだこーだと言い争うメイド達を尻目に家臣は続々と帰っていき、後に残ったのはメイドABC+Eだけだったとさ。

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