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北の海の魔女 64.0

†††64.0

「え・・・・・・?今回が初陣?初めてなの?」
「そうだよ。どうかしたの?」
少年はホルトゥンのきょとんとした顔をまじまじと見つめました。
「・・・・・・じゃあ、大臣たちが魔法を評価してたのは?」
「演習に参加したことがあるんだよ。そのときの話さ」
少年の顔はちょっと青ざめました。
「大丈夫かい?顔色が悪いけど・・・・・・」
「う、うん。いや、てっきり何度か戦にでたことがあるんだと思ってたから」
少年の言葉にホルトゥンがにこりと笑みを浮かべます。
「ああ、そういうことか。僕が戦に慣れている、とか経験豊富とか思ってたんだろ?それで、僕が君の指示を多少は補助するだろう、とも。残念でした」
ホルトゥンは少年におどけた顔で舌を出してみせた。
「僕は君の指示を助けたりはしない。たとえ思いついたとしてもね。今回の戦で君は君の実力を陛下に示さなければならない。なのに僕がしゃしゃり出て君の作戦に口出しするのはおかしいだろう?」
人によってはおかしくない話だとは思う。なにせ少年の指示には人の命がかかるのだ。
とはいえ、宮廷魔法使いの言に一理あるのもまた確かだった。
少年は深くため息をついた。
「わかった。がんばって君の『幻影』を最大限に使えるような作戦を考えるよ」
「頼りにしてるよ」
まだにやにやと笑みを浮かべているホルトゥンの顔が少年にはちょっと憎たらしく思えた。

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