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女神テミスの天秤 11-3

†††11-3

「・・・・・・おはよう」
翌朝、静は誰もいない部屋の中で一人、いつものように引いてある部屋を横断するカーテンに向けてそうつぶやいた。
そして頭の中の嫌なものでも振り払うように、頭を振り、朝食を作ろうと起きあがった。
ベッドから足を床に下ろし、居間を横断してキッチン兼玄関廊下のドアのノブに手をかける。

なんとなく、なんとなくだが、静は初めて渡と出会った日のことを思い出した。
静がこのドアを開けると渡が床に寝転がってテレビのバラエティを見ていたのだ。
なんというシチュエーションだろう。今思い出しても腹が立つ。

だが、もう腹を立てるべき相手はいないのだ。
そのことを思い出して静は拳を強く握りしめた。

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