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女神テミスの天秤 11-9

†††11-9

「ねえ、桜さん」
稽古後、静は桜の元へ行った。更衣室ではない。他の女子に話を聞かれるのはなんとんくイヤだったからだ。
「なに?関さん?」
稽古中は外していたメガネにきれいな光を反射させつつ、桜は振り向いた。
「あ、あの、先輩から聞いたんだけど・・・・・・」
「うん?」
メガネの奥の桜のしずかな視線に静はどうにも落ち着かない気分になった。
落ち着かない静と対照的に、桜はじっと静の次の言葉を待ってくれていた。
「あなたが私のこと、最近元気がない、って言ったんだって・・・・・・?」
「そうよ。そう言ったわ」
桜は小さな声で答えた。
彼女の清らかな声は続く。
「あなたはずっと辛そうだったわ。去年からずっと。それがこの十日ほどちょっと変わったから、先輩に励ますよう頼んだのよ」

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