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詰みゲー! 3-2

†††3-2

「お呼びですか、旦那様?」
「入れ」
部屋に入ると見慣れた威厳にあふれた高貴な顔がこちらを見ていた。
つまりは見ていただけだ。
「何用でございましょう?」
私は一礼をしつつ尋ねた。
「うむ・・・・・・。忘れていたのだが、明日は三年に一度の定例会でな。どうしても出なければならん」
「はい」
留守にするということか?しかしそんなことは別に珍しくない。他に何かあるのか。
「だが、困ったことに明日はあの子と遊ぶ約束をしていたのだ」
「ああ、なるほど」
私は旦那様が何を懸念されているのかようやく理解できた。
「このことをあの子に話せば・・・・・・」
「駄々をこねられるでしょうね、間違いなく」

旦那様の一人娘、レイン様は気むずかしいお父さんっ子だ。
一言で言えばそんな性格。

仕事で留守にすることが多い父親と休日を過ごせると思っていた彼女が真実を知ったときには・・・・・・。考えただけでもぞっとする。

「・・・・・・前はどうなったんだったかな?」
「前回旦那様が約束を反故になさった際、レイン様は家中の皿という皿をほぼ全てお割になられました」
旦那様はああ、と思い出したように息を吐いた。

「・・・・・・お前を呼んだのは他でもない。あの子のことだ」
旦那様はどこか苦々しげに口を開く。
「今日、あの子にこのことを伝えてくれ。できれば被害が最小限にとどまるような時と場所を選んでな」
「かしこまりました」
「まだある。明日あの子と私の代わりに遊んでやって欲しい。それであの子の気がすむとも思えないが・・・・・・頼む」
旦那様の最後の言葉はただ「主人が従僕に命令した」というよりも、「一人の父親が娘の世話を頼んでいる」ように私には思えた。

「承りました、旦那様」

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