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詰みゲー! 3-3

†††3-3

この町の貴族は皆学校へ行く。
国の法で定まっているわけではないし、町にそんな条例があるわけでもない。ただそのような暗黙のルールがこの町にはあった。

レインお嬢様もその例外ではなく、学校に通っている・・・・・・のだが。

「今日は行かなーい」
「行きましょう!お嬢様」
「やだー」
私はベッドに寝転がって足をぱたぱたさせながら本を読んでいるお嬢様を学校に行かせようと躍起になっていた。

お嬢様は学校に通ってはいるが、なぜだか普段は学校に行きたがらない。
要するにサボり魔だ。

「では、お嬢様、こうしましょう」
そんなお嬢様を今日こそは学校に行かせるべく私は知恵を絞った。
お嬢様は勝負事が大好きでおまけに負けず嫌いである。これを利用するのだ。
そんな私の計算が功を奏し、お嬢様は本から顔を上げた。
「私とチェスで勝負して、お嬢様が負けたら・・・・・・」
「やだ」
お嬢様は興味をなくしたようにふいっと再び本の世界に戻ってしまった。
「な、なにゆえ・・・・・・」
「だってお前強いもん。また負けるに決まってるわ」
しまった。負けず嫌いなことが裏目に出てしまった。負けず嫌いすぎて「負ける勝負はしない方がいい」と考えているのか。

「で、では・・・・・・」
なおも諦めない私にお嬢様は、
「もう諦めよ。私は今日は学校へは行かない」
と宣言した。これでもう私は口出しできなくなった。
全身の力が抜ける。私はお嬢様のベッドに座り込んだ。
そして本を読むお嬢様の姿を見てふと一つの疑問が湧く。

「お嬢様はどうして学校がそんなにお嫌なのですか?」

私がうっかりそう言うとお嬢様は目を細くしてこちらを振り返った。これは怒っているときの表情だ。あわてて私がいい繕おうとすると、お嬢様は目を下へ反らした。

「私には魔術が使えないからよ」

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