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北の海の魔女 78

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中軍が関所を通り抜ける際に幻覚魔法が発動した。
それを見たグルップリーが仮に中軍に駆けつけ、異変を将軍、グルップリーの言うところのヒゲに報告に行ったとする。

十中八九、それは下策だ。
中軍が通るときに幻覚魔法が使用されたということは将軍本人が幻覚にかかっている可能性が非常に高い。
その場合、真実を知る唯一の西の指南役は将軍の前に出たところでたちどころに殺されてしまうだろう。

幻覚魔法の種類にもよるが、ホルトゥンの使用した『幻影』は範囲内の人間全ての感覚を操る・・・・・・いや、上塗りする能力だ。
上からホルトゥンの望んだ絵を描き、範囲内の人間に見せる。見せられた側はそれを現実と思いこむ。
それはホルトゥン本人やグルップリーさえ例外ではなく、『絵』を見せられることには違いは無い。彼らが魔法を看破できるのは上塗りされる前の絵を発見できる能力が高いためである。

『幻影』は感覚を狂わせるだけ。将軍に思い通りのセリフを言わせることはできない。
しかし、命令を聞き、号令を出す人間の感覚は容易く狂わせることができる。
もしもグルップリーが将軍に報告に向かえば、彼は将軍自らの命令で兵に囲まれ、殺されてしまうだろう。

故にグルップリーは何もせず、ただ後軍を進ませていた。
野営の時まで。

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