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詰みゲー! 3-9

†††3-9

「遅いぞ」
「すみません」
私は馬車に乗り込んでお嬢様の不機嫌そうな顔に直面した。
馬車は屋敷のものだ。御者も雇っている。
学校は近くにあり、お嬢様は馬車が嫌いなため、通学は徒歩である。
しかし、今回の目的地は遠いので馬車を使うことにしたのだ。
「出してくれ」
私が御者に声をかけると馬車が動き出した。
お嬢様は馬車特有のがたがたとした揺れが気に入らないそうだ。

目的地は町の外の割と大きな木だ。そこは町と町の間をつなぐ道の途中にあるので馬車で行けるし、人もほとんどいない。馬車も日に二回程度しか通らない。
そこへ行く準備のために私とお嬢様は一度屋敷へ戻っていたのだ。
ふとお嬢様がつぶやく。
「ニーナも来ればよかったのにな・・・・・・」
「おや、お嬢様。ニーナが気に入りましたか?」
「うむ。あいつはなかなかに面白いやつだ。実にからかい甲斐がある」
お嬢様はにやにやと笑みを浮かべていた。
「・・・・・・程々にしてやってくださいね」
「それにしてもどうしてわざわざそんな遠くまで行くのだ?」
お嬢様は笑顔を不思議そうな顔に変えた。
「魔術の練習なら絶対に静かな場所がいいです。集中力が必要ですからね」
「そうなのか」
「そうです」
「ところで」
お嬢様は少し声色を変えて尋ねた。
「お前、魔術を使えるのよね?」

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