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詰みゲー! 3-12

†††3-12

帰りの馬車の中、お嬢様は一言も話さず、私と目も合わせず、ずっと馬車の窓から野原や町を眺めていた。

「すまなかったな」
「いえ、大丈夫です。いつもご迷惑かけてばかりですから」
「ははは、なるほどな。その通りだ」
「ヒドいですよ、そこは否定してください」
「悪い悪い。お前はよくやってるよ」
「えへへ」
私はお嬢様を部屋へ送り届け、後の世話をメイドの一人に任せ自室へと戻ろうとした。
その途中でニーナと出くわしたのである。

ニーナの屈託のない顔を見て、私はつい言わずにいられなかった。
「・・・・・・私は間違えたのかもしれない」
「どうかしたんですか?」
ニーナは笑顔を引っ込めて真顔になった。
「お嬢様にひどいことを言ってしまった」
「どうしてですか。理由があるんでしょう?」
私は真顔のニーナを見て、少し笑った。
「どうしてそう思う?」
「オーレンさんは理由もなくそんなことしないでしょう?」
「そうだな・・・・・・。だが、理由はともかく、間違ってたのかもしれない。問題はそこだよ」
「そう・・・・・・なんですか?」
「そうさ」
私はちょっと微笑んだ。苦笑いに近かったかもしれない。
「私はお嬢様に御自身の力不足を理解して頂きたかったんだよ」
「どういうことですか?」
「自分の力不足を痛感すれば嫌でも本気を出すだろう、と思ってたんだよ。・・・・・・でも、言い方を間違えちゃったんだよ」
「いえ、どういうことですか?お嬢様に何か教えてたんですか?算数?」
「・・・・・・私も少々苛立ってたんだろうな、多分」
「あ、歴史ですか?ややこしいですからねー」
「もっと上手く教えられると思ってたのに・・・・・・。そこの差に苛立ったのかな・・・・・・」
「かく言う私も歴史は・・・・・・」
「あそこまできつい言葉を投げかけるなんて・・・・・・」
「・・・・・・無視しないでくださいよう」
ニーナはしゅん、と俯いてしまった。

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