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詰みゲー! 3-20,21

†††3-20

「お嬢様、大丈夫で、すか?」
「え、ええ、だ、いじょうぶ。ちょ、っとゆ、れるけど」
一刻も早く町へと向かうため、私は腰が抜けてしまったお嬢様をおぶりながら走っていたのだ。
揺れるのでしゃべると舌をかんでしまいそうだ。
そんなことよりも坂の下にある町、いや時計塔が気になって仕方ない。
中に人はいたのか。
今もいるのか。
爆発の原因は何なのか。
・・・・・・旦那様は無事なのか。
「・・・・・・もう少し速く走ります」
「待って。もう大丈夫よ」
お嬢様がそう言ったので下ろしてみると、もう腰は治ったようでしゃんと立つことができた。
「もう少しです。急ぎましょう」
「ええ」

†††3-21

さらに数分走ると町の様子がどうもおかしいことに気づいた。
何と言うか・・・・・・静かすぎるのだ。建物が、それも町のシンボルとでも言うべきものが爆発した、というのに町全体が妙に静まり返っているのだ。
「・・・・・・何か妙ですね」
「・・・・・・そうね。でも行くわよ。お父様の無事を確かめないと。ついてらっしゃい」
「はい、お嬢様」
お嬢様の声は震えていた。

町に着いた。
馬車で行き来するような距離を走り通したのだ。私もお嬢様もぜえぜえと息を切らしていた。
「はあ、う、はあ・・・・・・。つ、着きましたね」
「うう、くうっ、わき腹が痛い・・・・・・!」
「運動不足ですよ、お嬢様」
「十二歳と同じ速さのお前に言われたくないわよ!」
お嬢様はほとんど倒れそうになりながらも必死で立とうとした。私は倒れかけたお嬢様の腕をすんでのところでつかんだ。しかしお嬢様はその手をゆっくりとひきはがし、一人で立つと前を向いた。

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