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詰みゲー! 3-23

†††3-23

時計塔に着いた。ここに来るまでやはり町の人には出会わなかった。
しかし、ここにきてようやく人間の形をしたものに出くわすことができた。
それが幸か不幸かは別として。

時計塔の前の広場の中心には大木が鎮座している。さっきまでお嬢様と魔術の特訓をしていた丘の木よりも大きな木だ。
すっくと伸びたその幹はその大きさと比べても頼もしく、幹から伸びる枝、葉は晴れの日は強い日差しを遮り、雨の日は雨露をしのいでくれる。
それは時計塔にも並ぶ町のもう一つのシンボルともいえる大切な木であった。
しかし今、その木は無惨にも中腹辺りで真っ二つに折られてしまっている。爆発した時計塔の残骸をもろに浴びたことが周囲の瓦礫から見て取れた。ひしゃげた長針が代わりに折れた木に突き刺さっていた。
そして変わり果ててしまった広場の真ん中、折れた大木の前、奇跡的に残った一つのベンチにそいつは腰掛けていた。

「やあ」
ベンチに座っていた男はこちらに気づくとやや疲れた様子で手を挙げた。

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