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詰みゲー! 3-24

†††3-24

「よいしょっと」
ベンチの男はそんなかけ声とともに立ち上がった。
黒い。全身黒づくめである。黒髪で、黒いマントを翻し、ゆったりとした長い袖が手首まで覆い、ズボンも靴も黒であった。

私は一目この男を見たとき背筋にぞっと寒気が走った。
何かとてつもなくおぞましいものでも見ているような気分に襲われた。
お嬢様を置いてきて正解だった、と心の底から感じた。

「君たちはこの町の人なのかな?だとすると・・・・・・、いや大丈夫か」
黒服の男はぶつぶつとつぶやきながら近づいてくる。
私はただ黙ったまま、男が歩いて近づいて来るのを見ているだけだ。
「ノルマは達成してるからなあ。じゃあ、どうしようかな・・・・・・」
男はちょうど半分ほど来たところで立ち止まり考え込んだ。

「な、何なんだ、貴様はッ!」
そこで私はようやく声を出すことができた。はなはだ情けない話ではあるが。
「んん?僕かい?僕は・・・・・・なんだろうねえ?」
男は私の問いに少し困ったように頬を掻いた。
「何だよお前・・・・・・。お前がそれをやったのか?」
私は時計塔を指さした。男は振り返って時計塔を確認する素振りを見せる。
「あれは・・・・・・。僕・・・・・・ではない、ね。僕では」
「じゃあ、誰が・・・・・・」
私がもう一度尋ねようとしたとき、時計塔からもう一人男が出てきた。

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