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詰みゲー! 3-25

†††3-25

時計塔から出てきたもう一人の男、彼は男と言うよりも青年、という感じで、彼もやはり黒髪であり、服装は男と同じであったが色は赤を基調とした色違いであった。ちなみにかなり体格がよく、身長も見たことが無い程、高かった。

「どうかしましたか、父上?」
年齢的に明らかに肉親ではない黒服の男に対して赤服の青年はそう呼びかけた。
「ああ。ノルマは達成してるからさあ。こいつどうしようかなって」
「・・・・・・放っておけばよいのでは?」
「そうだな」
黒服はくるりと背を向けて元のベンチの方に戻り始めた。赤服はその場で私を見ている。

「待て!この町の人はどこに行ったんだ!」
私は黒服に向かって思わず叫んでいた。
すると黒服がゆっくりと振り向いた。
「・・・・・・あそこだ」
そう言って時計塔とその周りのいくつかの建物を指さす。
「あの中だよ」
「・・・・・・無事なのか」
黒服はその問いには答えなかった。視線をわずかに反らし、代わりにぼそっとつぶやいた。
「・・・・・・彼らはニエだ」
「・・・・・・?ニエ?ニエって何だ?」
耳慣れない単語だったので思わず聞き返してしまった。
「贄・・・・・・、生け贄・・・・・・と言えばわかるかい?」
「・・・・・・ッ!」
その瞬間私は「この男は殺すべきだ」と悟った。いや、最初に見たときから思っていたことが確信に変わったのか。
「『風刃(ウィンドバード)』!」
私は目の前の黒服にいきなり攻撃を仕掛けた。距離はやや開いているが、射程範囲内だ。

「・・・・・・風は目くらましで、攻撃の本質は石のナイフ、か・・・・・・。お前、戦闘訓練を受けたのか・・・・・・珍しいな」
『風刃』は確かに黒服に命中した。しかしナイフは全て何かに弾かれて地面に落ちた。
『障壁(バリア)』か、厄介だな。

「でもねえ・・・・・・、相手が違うな。俺を攻撃する前にそいつを攻撃しないと・・・・・・」
黒服は赤服を指す。と言っても、すでにそこに赤服はいない。

・・・・・・いない?
「君が殺されるよ」

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