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詰みゲー! 3-27

†††3-27

赤服はやれやれ、と首を振りつつ、近づいてくる。
「生きて帰れたらいいがな」
「ふん・・・・・・。さてと、よくも私の盾を壊してくれたな。礼ははずませてもらうぞ」
立ち上がり、『障壁』を修復しつつ赤服を睨みつける。
私の頬の辺りを上から垂れてきた血が伝っていく。
この格好でお嬢様には会えないな、と頭の片隅でため息混じりの声がする。
「フ・・・・・・。礼など要らん。貴様の首で十分だ」
赤服がこちらに近づきながら応える。
「高くつくぞ」
「上等!」
赤服がその言葉を合図に突進して来た。
「『風刃(ウィンドバード)』!」
先ほど黒服に使った魔術を今度は赤服に使う。
実際のところ『風刃』は魔術師相手に使う類の魔法じゃない。こいつのは無論、普通の魔術師の『障壁』さえ通らない。
「こんなものただの、・・・・・・ッ!」
風刃に対して自動で展開される『障壁』のみで突っ込んできた赤服はいきなり目の前に現れた石の壁に激突した。
「『石盾』!」
「小賢しい真似をしやがって・・・・・・!」
衝撃でばらばらと崩れ落ちている壁の向こうから赤服の怒気をはらんだ声がする。
動きの止まった一瞬の隙を見逃す訳にはいかなかった。
「『石盾(ストーンウォール)』!『災厄を招く竜巻(トルネード・ディザスター)』!」
今度は赤服を包み込み、拘束するように『石盾』が発動する。
風が止み、周囲の空気がすーっ、と静まり返っていく。
続いてふつふつと沸き上がるように徐々に空気が揺らぎ、いくつものつむじ風を成していく。
つむじ風は互いに混じり合い、大きく、強くなっていく。
地面の煉瓦がガタガタと揺れ、瓦礫が吹き上がる頃には既に立派な竜巻に成長していた。
そろそろ退くべきか。

巨大な竜巻は広場の外の道路のほとんどを覆い、周囲の家々を見境無く破壊していく。
「・・・・・・気にしてる場合じゃないよな」
・・・・・・無意識にだが、私はこの時既に、もう町は元に戻らないと言う予感があった。

竜巻の渦の中心は当然、赤服と奴を拘束した『石盾』にしてある。今頃は『石盾』が竜巻と巻き上げられた瓦礫で破壊され、奴自身がその攻撃を受けているだろう。

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