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詰みゲー! 3-32

†††3-32

「お、とうさ、ま・・・・・・?」
お嬢様が再び吸い寄せられるように足を出した。足下でバラまかれた煉瓦がかすかに音を立てる。
私がお嬢様へようやく追いついたそのとき、
「いやあああああああああああぁぁぁぁっ!!」
お嬢様はいきなり絶叫すると、その場に崩れ込んだ。
私がすんでのところでお嬢様を抱えこんだ。おかげで怪我は無かったが、どうやら、気絶しているようだ。
「お嬢様・・・・・・?」
私は顔を上げてお嬢様が見ていた時計塔の部屋の中を見た。
「・・・・・・ッ!旦那様!」
旦那様、お嬢様のお父上が無惨な姿で横たわっていた。

「・・・・・・あれが小娘の父親なのか?」
いつの間にか背後に立っていた赤服が尋ねる。
しばらく私の返答を待っていたようだったが、こちらが無言でいると、頼んでもいないのに話し始めた。
「彼は一筋縄ではいかない男だったよ。父上の要求に頑として首を縦に振らなかった。町民を危険にさらせない、と言っていた・・・・・・。最後は自爆に近い強力な魔術を使って俺たちを殺そうとしたんだ」
赤服が淡々とした口調で独白をした。
私は赤服が言った内容と口調に驚いて彼の表情を確認した。
やはり感情のない表情だったが、その目はどこか後悔しているような鈍い光を帯びていた。
まるで、殺したくなかった、とでも言いたげに。

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