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詰みゲー 4-1

†††4-1

「クロックタウンから伸びていた影の巨塔、これが王様の仰っていた『王宮(パレス)』だ」
長い説明を終えると黒い礼服姿の青年はそう言った。
「君が破壊する対象であり、敵の本拠地だよ」
「あのレインっていう大魔術師は・・・・・・」
「そうだ」
マントを羽織った少年の言葉を受けてオーレンと呼ばれた礼服の青年ががうなずく。
「レイン・エストラルト。旧ウェストリア連邦、テポト王国のエストラルト公爵家の御令嬢だ。私はその元執事、オーレン・ブルーウォーター。・・・・・・これでいいかな?」
マントを羽織った少年はため息とともに椅子の背にもたれ掛かった。
「ふふふ、疲れたか?」
「ええ。少し」
「まあ、無理もない。かなり長い間話していたからな。茶を入れ直そうか」
オーレンはティーポットから少年と自らのカップに茶をゆっくりと注ぎ始めた。
「ありがとう。あの・・・・・・」
「なんだ?聞きたいことがあれば質問しなさい」
「・・・・・・レインの、レイン様の記憶は戻ったんですか?」
少年の問いかけに答える前に茶を注ぎ終えたオーレンは静かにポットを置く。少年は淹れたてのお茶を一口飲んだ。

「いや、レイン様の記憶は戻っていない」
「・・・・・・そうなんですか」
「フ・・・・・・。君が申し訳なさそうにすることはないよ。アレはまあ・・・・・・当人の問題だしな」
「当人の・・・・・・?」
オーレンの言いぶりが気になったのか少年が彼の言葉を繰り返す。
「いや・・・・・・何でもない。忘れてくれ」
オーレンはやや慌てたように手を振った。そして青年は少年を見つめ、こう言った。
「・・・・・・君もこれから色々なことがあるだろう。色々なことを知る。それでも決してあきらめないで欲しい。君は私たちの希望なのだから」
「・・・・・・」
少年がどう答えるべきか迷っていると、青年は咳払いをした。
「すまない。負担になるようなことを言ってしまったな。・・・・・・今日のところはもういいよ。好きなところへ行ってくれて構わない。そのうちこちらから連絡するよ」
「説明してくれてありがとうございました」
少年はお茶の残りを飲み干すと席を立ち、ぺこりと青年に礼をした。青年は照れたように手を振った。
「いいさ。まあ、こちらこそよろしくな」

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