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北の海の魔女 103

†††103

『幻影』がかかっている中、グルップリーが『現実』で声をかける。
(早く城を出よう。ここにもそこそこの魔法使いはいるんだ。そいつらとハチ合わせしたらやばいぞ)
(大丈夫だ。僕の『幻影』はその気になれば通路一本分程度なら十分射程内だよ)

運よく三人は魔法使いと出会うことなく城から抜け出すことに成功した。もっともチョコ少将は何もわかってはいないが。


「チョコ少将、申し訳ありませんが少し宿に寄ります。荷物を取らねばならないので」
「かまわん」

もちろん荷物を取るというのは嘘である。本当はここまでグルップリーが担いできた大将をここで置いていくのが目的である。
そのためだけに二人は入城する前に宿をとっていた。

(さっさと済ませよう。城の連中が大将がいなくなったのに気づくのも時間の問題だ)
(ああ)

宿屋の主人にあいさつをし、預けていた鍵を受け取る。その鍵で部屋に入り、『幻影』の中でホルトゥンとグルップリーは置いてあった<荷物>を手に取った。『現実』では背負っていた大将を下ろし、縛っている縄、猿ぐつわを確認し、目立たないようにクローゼットの中に放り込んで戸を閉めた。

(これでこいつが見つかるのは当分先だな)
(後は私たちが逃げればいいだけだ)

「お待たせして申し訳ありませんでした、少将。・・・・・・参りましょう」

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