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北の海の魔女 104

†††104

ホルトゥンたちは捕虜軍が首都に着く前日に捕虜軍と合流した。

「将軍さん、出番だ。今から来る三人の中に将校が一人いるはずだから、その人を手厚くもてなしてくれ」
「・・・・・・了解、リーダー」

ヒゲ面の将軍は自らの半分の背丈ほどの少年に対して不服そうに返事をしてテントから出ると、高笑いをして向かってきていた三人を迎えた。

「ははははは!遠路はるばるご苦労であった!ホルトゥン!グルップリー!」
「「はっ!」」
「貴公はチョコ少将ではないか?貴公が陛下の命を賜ったのか?」
「いかにも」
「して、いかに?」
「和睦せよと」
「よし!」

ヒゲ将軍はやや大げさに手を叩いて見せた。だが、これはこれでごく自然な演技だった。元々こういう大げさな身振りが好きな人なのだろう。

「やはりな!陛下は大局を見ておられる!東が和睦をしたいと申し出てきたのなら乗るべきなのだ!」

もちろん東の国は和睦など申し出ていない。大ウソである。
しかし、これも少年がつくように指示していたことであった。
ちなみに和睦に乗るべき、というのは両国の確執を抜きにして、単純に利益のみを求めるのならば和睦は最前、と言う意味である。
西の国でも硬派軟派の意見が完全にまとまってはいるわけではないのだ。

「さあさあ、陛下の名代は体を休めなくては。あちらに客殿を設けた。旅の疲れを休めてくれ」
「感謝する。して、和睦はいつ結ぶ?」
「明日、午の刻に」 
「よし。では休ませてもらうとしよう」

ヒゲ将軍は部下を呼び、チョコ将軍を客殿へと案内させた。
そして彼の姿が見えなくなると悲しげに頭を振り、目の前のホルトゥンとグルップリーを睨みつけたが、しばらくして何も言わずに自らのテントへ戻っていった。

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