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詰みゲー! 4-11

†††4-11

「失礼します。訓練生を連れて参りました」

中庭の扉を開けてロベルトは中にいた老人に声をかけた。
扉の外には様々な植物が咲き乱れている庭園があった。老人は手にジョウロを持って、植木の枝から宙づりになっている鉢植えに水をやっていたところだった。

「うむ」

老人は返事をしつつ、足下のスイセンの鉢植えに水をやった。そこでジョウロの水はなくなってしまった。

「ちょうどよかった」

ロベルトはそこで中庭から出ていった。
老人がこちらへ手招きをする。ジョン、ミリア、ベンジャミンは呼ばれた子犬のように素直に老人の元へ駆け寄った。
老人は優しさと厳しさを含んだ独特の雰囲気を醸し出していた。

「訓練生は誰かね?」
「ぼ、僕です」
「はっはっは、震えずともよい。別に取って食ったりはせん。名は何という?」
「坂井翔太といいます」
「ほう、珍妙な名前だな」
「みんなはジョンと呼びますが」
「はははは!ならばワシもそう呼ばせてもらうとしよう! 後の二人の名前は何というのかね?」
「はっ、ベンジャミン・ワッフルワイン中尉であります」
「同じく、ミリア・ワッフルワイン小尉」
「ほう、兄妹か。ベンとミリアでよいな?」
「は、はい」
「ジョン君。ワシはレインから君を鍛えるように頼まれておる。今すぐにでも始めようと思うが、どうだ?いけるか?」
「はい!」
「いい返事じゃ。おぬしらはどうする?一緒にやるか?」
「是非とも」
「ご一緒したいです」
兄妹が口をそろえて参加を願い出たことが老人にはとてもうれしかったようだ。

「よろしい、来たまえ。ああ、そうそう、ワシの自己紹介がまだだな。ワシはシャープ・ペンシル。シャープと呼ぶがよい」

シャープはそう言うとにやり、歯を見せて笑った。

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