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詰みゲー! 4-23

†††4-23

コンコン コンコン

「はい?」
「ベンジャミン・ワッフルワインです。姫様にご挨拶申し上げたく」
「開いてるで」

ベンがドアを開けると、一人で優雅にお茶をしているクラリスがいた。

「そのお茶は姫様が?」
それがベンとクラリスの最初の会話だった。それがおかしかったのか、クラリスがくすくすと笑う。

「ちゃうちゃう。これはメイドに淹れてもおたんや」
「左様ですか」
「ああそれと、敬語は要らんで。他の皆にも言うたけど」
「伺っております」
「・・・・・・。まあええわ。ところで、アンタがベンジャミンか・・・・・・。『狼』の若頭、やな?」

狼という単語にベンの顔つきが一気に険しくなる。

「・・・・・・ご存じでしたか」
「当然やろ。これでも姫やで。こないだはちょっとトボけたんや」

クラリスが茶をすすり、横目でジロリとベンを見る。明らかに品定めをしている目だった。

(ふん。こんなこったろうと思ったぜ!王が王女をこんな所に確認もせずに送り込むものか!)

「アンタを見込んで相談があるんやけど、乗ってくれるか?」
「・・・・・・内容と見返りによりますね」

ベンはクラリスに言葉を選んで慎重に返事をした。その油断ならない様子がクラリスはますます気に入ったようだ。

「それでこそや。見返りは・・・・・・、ウチとアンタの間にパイプができるんやで。これ以上の見返りはあらへんやろ?」
「確かに強いコネではありますが、やはり内容にもよります」
「慎重やなあ。内容は・・・・・・ひょっとすると妹さんを傷つけることになるかもしれへん」
「・・・・・・どういう意味です?」
「・・・・・・。『王様の命令』は誰かに教えてもうたか?」
「次世代の軍の幹部候補と交流を持て、では?」
「ちゃうねん。本当は『ジョンと恋仲になれ』、や」
「・・・・・・は?」

ベンはハトが豆鉄砲を食らったような顔をした。それを見てクラリスが吹き出す。

「あはははは!せやろ!そおなるやろ!ウチもなってん!言われたとき!」

クラリスがケラケラと笑い転げる。それを見てベンはますます訳が分からなくなった。

「ええと・・・・・・。それは一体どういう意味でおっしゃられたので・・・・・・?」
「わからへん。ウチの意見なんか全然聞かんと、『あいつはいつか必ずお前の役に立つ。せやからとりあえず惚れさせて来い』ゆうて。頑としてゆずらへん。しゃあないから、ウチ、とりあえずここに来たんやけど・・・・・・」
「けど?」
「まあ、ウチもな、アホらしいとは思ってんねんけどな。一応、あの勇者クンを惚れさそうと思て来たんや。そしたら、もう先客がおったんや」
「先客?あいつを好いている奴がいると?メイドの中ですか?」
「何トボけてんねん。アンタの妹やないか」
「ああ!?」

ベンがいきなり叫び声を上げたのでクラリスはびっくりして危うく椅子から転げ落ちそうになった。

「ミリアが・・・・・・ミリアが・・・・・・あいつを?本当ですか、それは?」
「ほ、ホンマやで。ここに来てから二日ほどあの二人見とったけど、あれはくっつくで」
「ぬあーっっ!!!!」

ベンは両手で頭を抱えて絶叫した。それをクラリスがうるさそうに横目で見る。

「やかましいなあ・・・・・・。なんぼ兄貴やからってちょっとうるさいで」
「俺が兄貴だから騒いでるんじゃないですよ・・・・・・。俺はあいつの父親に頼まれてるんで」
「変な言い方やなあ。アンタの父親でもあるんやろ。仲悪いんか?」
「俺とミリアは義理の兄妹です。本当はいとこ同士なんですよ」
「ええっ!?」

今度はクラリスが大声を出す番だった。

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