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詰みゲー! 4-29

†††4-29

「?」
「どうしたのよ、ジョン」
「クラリスだよ。入り口のところにいるだろ?」
「そうね、なにかしら」

そのとき、ジョンとミリアは道場で組み手の訓練をしていた。シャープはまだ朝食中だ。
稽古まであと一時間以上はあったが、気晴らしに一つ、と組み手をしていた。
ジョンとミリアがクラリスの存在に気がつくと、視線に気づいたクラリスがこちらに歩み寄ってきた。

「ちょっとミリアを借りてもええかな、勇者くん?」
「え?ああ、まあ、俺はいいけど・・・・・・」
「何かあったの?」
「何もないよ。大したことやない」
「・・・・・・まあいいわ。悪いわね、ジョン」
「おおきに。堪忍な、ジョン」

***

「ちょっと頼みたいことがあんねん」
「頼みたいこと?」

道場を出て二人は、色とりどりの花が咲き乱れる中庭を横切っていく。

「ごめんやけど、ウチの部屋に入って荷物を取ってきて欲しいねん」
「え?どういうこと?」
「まあその・・・・・・、部屋の鍵をなくしてしもうてん。それで部屋に入れへん」
「ああ、なるほど。それであたしの魔法で入って取ってこいと・・・・・・」
「ええやろか?」
「もちろんよ。それくらいお安いご用だわ」
「そおか!おおきに!」
「それで何を取ってくればいいの?」
「メガネや。ウチ目ぇ悪いんや」

***

「・・・・・・おおきに。助かったわ」
「いいのよ」
「あの・・・・・・もうひとつええかな?」
「なに?」
「できたら・・・・・・、ウチと友達になってくれへんかな?」
「え?」
「いや、だからほら、ここって女の子少ないやん?メイドさんとかおるけど、それはまたちゃうって言うか・・・・・・」
「あたしと?友達に?」
「あかん?」
「いえ、そうじゃないけど・・・・・・」
「けど?」
「うーん。聞いてないかしら?ほら、あたし東狼団のメンバーなのよ」

その言葉はミリアがクラリスを慮って発したものだった。もしも、クラリスが東狼団の中心メンバーと親密な間柄にでもなろうものなら、彼女は陰口を言われてしまう。
ジョンについてもまあ、同じなのだが。

「なに言うてんねん。そんなん気にするほどウチは器量狭ないで?」
「でも・・・・・・」
「ウチはミリアと友達になりたいんや。・・・・・・ミリアは?」
「あ、あたしも・・・・・・」
「おんなじ?」

ミリアがこくりとうなずく。

「あたしここに何日かいたんだけど、どうも男が多くて・・・・・・。メイドさんとも話したりしたんだけど、どうにもかみ合わなくて・・・・・」
「あはは、おんなじや」
「そうなの?・・・・・・じゃあ、あたしからもお願い。友達になって?」
「こちらこそや、ミリア!」
「ありがとう、クラリス!」

二人はがしっと手を取り合って同時に宣言した。

「ウチらは今日から友達やで!」
「あたしたちは今日から友達よ!」

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