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詰みゲー! 4-32

†††4-32

「属性魔法と・・・・・・『譜<スペル>』・・・・・・?」
「そうだ」
「『譜』は難しいでー」
「まずは属性魔法の説明をしよう。属性は全部で六つ。雷、火、氷、風、水、そして土だ」
「どれが一番強いの?」
「そんなもんはありゃあせん。正直、ワシはお前がこれを覚える必要性は無いと思っとる」
「はあ?なんだよ、そりゃあ」
「属性魔法は多数を相手にするときに使う術だ。つまりはザコを片づけるのに使う」
「ふーん。で、なんで俺にはそれが要らないの?勇者なんだからザコとか一掃するんじゃないの?」
「・・・・・・アンタ、何するんか聞いてへんの?」
「聞いてない」

クラリスはうーん、と上を向いて困った顔をした。
ふむ、と唸ってシャープは顎に伸びた白い髭をなでた。

「・・・・・・」
「どうしたんだ?」
「いや、説明しなければならないのかなと思ってな」
「すればいいじゃん?」
「それは面倒くさいわあ」
「そうだな」
「ひでえな。そんなに面倒くさいのか?」
「割とな。まあ、ザコ相手ではないことは確かだな」
「ごっつ強い連中を相手にすんねんで。一体で一個大隊を壊滅させるような敵とか」
「・・・・・・冗談だろ?」
「それは本当だ。中佐もそのつもりだぞ」
「中佐って・・・・・・レインか?」
「そうだ。お前は中佐の直属の部隊に配属になるだろう」

(あいつが俺の上官になるのか・・・・・・。大丈夫かな・・・・・・?)

ジョンは自分の名前すらまともに思い出せない少女を思い出して底知れぬ不安を感じた。

「そういうわけで属性魔法は無用だ。まあ、おいおい覚えればよい」
「はいよ。で、もう一つは?」
「譜は重要だ。これを覚えずして戦場には出れん、と言っていい」
「そんなに重要なのか」
「せや。覚えんと行くなんて丸裸で北極へ行くようなもんやで」
「はいはい、わかったわかった。で、どんなのなんだよ」
「まずはこれだな」

そう言ってシャープはジョンの目の前で一枚の紙切れをヒラヒラさせた。紙切れにはよく見れば文字のようなものが書かれている。御札に似ている気もしなくもない。

「なんだよそれは?・・・・・・あとニヤニヤしないでくれ」
「これは魔譜だ。以前に魔力は通貨として使用できると話したな?通貨として使うときはこのように『譜』で誰でも使えるように還元するのだ」
「『譜』って魔力を込めた御札のことなのか?」
「いや、違う。魔力を媒体にして魔術師の意志を込める術だ。魔力は抽出したあとで自分の波長に合うように加工されるのだ。まあ、個人差だな。だから他人から直接魔力を受け取っても使えない。場合によっては毒にさえなる」
「へー」
「そこで『譜』を使う。この魔譜には二つの意志が込められている。一つは『魔力を保存する』こと。魔力がこもっていなければ話にならないからな。二つ目が『魔力の波長を使用者の波長に合わせる』こと。この意志によって初めて魔力の補給が可能になるのだ」
「へー。ややこしいなあ。・・・・・・で?」
「何がだ?」
「どうやって使うんだ?」

ジョンの言葉にシャープとクラリスが唖然とした顔をした。

「図太いと言うか何というか・・・・・・。アンタ、考えるん苦手やろ」
「おお、よくわかったなクラリス。その通りだ」
「ほめてへんよ?」
「・・・・・・ジョン、魔譜はな、噛みちぎればいいんだ。それで魔力が供給される」

ため息混じりにやる気なさそうにシャープが魔譜の使い方を教える。懇切丁寧に説明したにも関わらず聞き手がこれでは気落ちもするだろう。
ジョンは言われたとおりに魔譜を勢いよくビリッと噛みちぎった。
すると魔譜から魔力があふれだし、ジョンに吸収された。

「お、おお~・・・・・・。こりゃあ、すげえ・・・・・・」

ジョンは何ともいえないじんわりとした高揚感を覚えた。何というか、「レベルアップしました」みたいな気分だ。

「レベルアップしたみたいな気分だよ」
「そうか、よかったな」
「何言うてんの?」

ジョンはちょっと落ち込んだ。

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