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詰みゲー! 4-34

†††4-34

ミリアは一つ深呼吸してからドアをノックした。ワンテンポ遅れて中からはい、と返事が聞こえた。

「ミリアよ」
「どうぞ」

ミリアが中に入るとクラリスはいつもの場所でいつものお茶を飲んでいるようだった。

「いつもの?」
「せや。なんでわかったん?」
「いつもと同じ香りだからね。・・・・・・それにしてもどうしたのよ、クラリス。わざわざ手紙で呼び出すなんて」
「ミリア。折り入って、」
「話があるんでしょ?聞くわよ、折り入らなくても」

クラリスに対して正面に置かれたソファに座るように促されて、ミリアは礼を言いながら座り、クラリスが話し始めるのを待った。

「・・・・・・ウチな、その・・・・・・」
「?」
「・・・・・・。・・・・・・ジョ、ジョンが」
「ジョジョン?」
「いや、ジョジョンじゃなくて。その、ジョンが・・・・・・」
「ジョン?ジョンがどうしたの?」
「・・・・・・ウチ、ジョンが好きやねん」

クラリスはミリアを気遣わしげに見やり、ミリアはただ呆気にとられてぽかんとしていた。

「え・・・・・・?」
「ウチはジョンが好きや。ミリアは?」
「え、ええ!?あ、あたしは・・・・・・」
「ウチ、ミリアとジョンが仲ええの知ってるさかい・・・・・・、もしかしたらミリアもジョンのことが・・・・・・」
「ううん、そんなことない、わよ・・・・・・」
「ホンマに・・・・・・?」
「・・・・・・本当に」
「でもジョンは・・・・・・」
「ジョンがどうしたの?」
「ジョンはきっとミリアのことが好きや。見てたらわかる」
「そんなことないわよ。あいつはあたしのことなんて毛ほどにも思ってないって」

さもおかしそうにミリアが笑う。だが、クラリスは二人の間のテーブルをばん、と叩いた。テーブルの上の二つのカップが危うく倒れそうになった。

「ちゃうもん!もうジョンはミリアのことが好きや!わかるねん、ウチには!」
「本当にジョンが・・・・・・?」
「ホンマや」

ミリアはもう笑わなかった。じーっとクラリスの目を、クラリスが冷や汗をかく程に、見つめた。そして、不意に視線を外して独り言のように言う。

「ウソとも思えないけど・・・・・・。やっぱりそんなことないわよ。あいつは・・・・・・」

死んだ恋人のことを想っているもの、とミリアは心の中で続けた。

「ちゃうもん!そんなこと言うて本当はミリアがジョンをとるんやろ!?ミリアがジョンのこと好きちゃうんやったら、ミリアが出てったらええもん!そしたらジョンは、ジョンは・・・・・・ウチのこと、いつか・・・・・・。うううぅぅ・・・・・・」

目から大粒の涙を流してクラリスは泣き崩れた。ミリアはクラリスの突然の感情の決壊に驚いて、彼女の肩を抱いて背中をさすった。わかったわ、とミリアは繰り返しクラリスに呟いて慰めた。


「わかったわ、クラリス。わかったわ」
「ううぅ・・・・・・。ごめん、ミリア。ウチ、ヒドいこと・・・・・・」
「いいのよ、クラリス。あなたの言うこと、もっともだわ。あなたがジョンのこと好きだって言うなら、あたしは出ていくべきなのよ」
「ごめん、ミリア・・・・・・。ウチ・・・・・・」
「このこと言うために呼び出したんでしょ?」

ミリアがにっこりと笑って尋ねる。クラリスは泣きながらうなずいた。

「あたしたちは友達でしょ?何を遠慮してるのよ、クラリス」
「くっうううぅぅ・・・・・・。ごめん、ごめん、ミリアぁ・・・・・・」
「いいのよ。本当にジョンに惚れられてたら迷惑だもの」

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