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北の海の魔女 6.0

***

男の子が老いた一頭のシカを連れてあらわれたのが足音でわかったオオカミはおどろきました

「本当に連れてきたのか」

シカはオオカミの前に座りました
「あなたが私を食べるオオカミですか?」
「そうですが・・・・・・本当にいいのですか?」
「かまいません」

オオカミは男の子の方へかおをむけて言います
「ありがとう。これで私は生きられる。お前のおかげだ」

そしてシカへ向きなおり言います
「本当にありがとう。あなたのことは生涯わすれません」

シカはほほえんで言います
「よいのですよ」






男の子はオオカミがシカを食べるのを目をそらさずに見ていました
シカを食べ終えたオオカミがたずねます
「どうしてずっと見ていたんだい?」

「わかったのかい?・・・・・・ぼくのせいで死ぬ者の最後から目をそらせちゃいけない、と思ったからだよ」
「そうか・・・・・・」


「王都へ行くんだったか?案内しようか?」
「町の場所をしってるのかい?ならお願いするよ」

オオカミと男の子は立ち上がり、シカの亡骸を見ました
「・・・・・・行こうか」

***
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