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北の海の魔女 16.0

†††16.0

「どうしても動けそうもない?」男の子は聞きました。
「無理だね」

男の子は男の目をのぞきこむようにして言いました。
「・・・・・・この辺りは安全なのですか?」
「・・・・・・・・・・・・いや」
「何が出るのです?」
「オオカミと盗賊。どちらも命取りだ」
「・・・・・・本当は歩くくらいはできるんでしょう?」

男の子は助けたときの男の様子から推測して言いました。すると男は苦々しい顔をして
「ああ」
と言いました。

男は確かにケガをしています。しかしようやく歩くことができる程度で、町まで行こうとすればどうしても男の子の手助けが必要です。もしそうやって進んでいるときにオオカミや盗賊が出たらどうなるでしょう?男はそう考えて男の子だけで行かせようとしました。
もしオオカミや盗賊がこの辺りを通れば何もないこの見通しのよい平野で馬車の残骸などの傍にいればすぐに見つかってしまうでしょう。

「肩を貸します。一緒に行きましょう」
「すまない」

男はうつむいて申し訳なさそうにそう言いました。


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