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北の海の魔女 18.0

†††18.0

「あっちの部屋は魔女の食事を作るための部屋なの。あたしたちのは、ここよ」
アリスは隣の部屋のドアを指さしました。

「入りましょうか」
アリスがドアを開けました。

中はパンの貯蔵庫でした。パンを乗せた背の高い棚が部屋の奥までずうっと続いています。
いったいいくつあるのでしょうか。

「これ全部わたしたちがたべていいの?」
女の子は目をかがやかせていいました。彼女は元の村ではお腹いっぱいになるまで食べたことはありませんでした。

しかし女の子のそんな問いかけにアリスは首をふります。
「ううん、だめよ。あたしたちが一日に食べていいのは、」

アリスは近くの棚のパンをナイフで少し切り取りました。
「これだけよ」

女の子はがっかりしました。彼女の小さな手で包めてしまうくらいだったからです。
でも女の子はすぐに笑顔で、
「大丈夫。村ではもっと少ない日もあったわ。大丈夫よ」
と言い切りました。

アリスは近寄ってきて女の子に耳打ちして言いました。
「そう、大丈夫よ。なんとかしてあげるわ」

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