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北の海の魔女 22.0

†††22.0

アリスは女の子を連れて部屋を出ました。
「ねえ、どこに行くの?」
女の子が不安そうに聞きます。

「パンの倉庫よ」
アリスは女の子の手を引いたまま振り向かずに答えました。

「行って大丈夫なの?」
「大丈夫よ」
アリスは自信たっぷりに言いました。
「屋敷の玄関に置いてある時計が十回鳴いたら、魔女が出かけるの。それで次に十一回鳴くまでは帰ってこないの」
「留守にしててもばれるんじゃないの?」
「ううん、魔女が屋敷にいないときは気づかないわ」

「カエルにされたりしない?」
「大丈夫よ。あたし毎晩行くもの。さ、早く行くわよ」
アリスに手を引かれて女の子の胸はどきどきとわくわくで落ち着きませんでした。

廊下の途中に鏡が置いてありました。ちら、と鏡を見た女の子はびっくりしました。さっきまで泣いていたせいで顔がはれていたからです。

(さっきアリスが気まずそうにしてたのは私の泣き顔を見たからね)

女の子はアリスの手を少し強くにぎりました。

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