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北の海の魔女 23.0

†††23.0

しばらく歩いて二人はパンの貯蔵庫の前まで来ました。
「開けるわよ」
二人でドアを開けました。

朝と変わらず大量のパンが静に眠っています。
アリスがその中の一つを朝とは違って大きく切り取りました。

「はい」
自分も食べながら女の子に切り取ったパンを渡します。
女の子は手の中のパンを目をまん丸くして見つめています。

「食べないの?」
女の子はアリスを不安そうな目で見つめました。

「・・・・・・食べてもいいの?」
「大丈夫よ。魔女にはわからないわ」
「そうじゃなくて」
女の子は首を振ります。
「こんなにたくさん食べていいことってなかったから」
アリスはパンをかじりながら女の子を見つめます。
そしてふとにやりと笑って言いました。
「・・・・・・食べないのならあたしが全部食べちゃうけど?」

女の子はうっ、と息をつめました。そしてパンをじっと見つめ、一口。
もう一口。
一回一回かみしめるように味わって食べます。

「ゆっくり食べなよ。パンも時間もたっぷりあるんだから」

†††
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