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北の海の魔女 43.0

†††43.0

少年も監獄の外に出るとホルトゥンが待っていました。
「君はこれからどうするの?」
「あの男の人に会いたいんだけど・・・・・・」
「馬車ごと崖から落ちたって言うあの男かい?」
「そう」
少年はあの男に会って話をしたいと思っていました。
「わかった。君を彼のところまで案内して僕は帰るとしよう」

少年と魔法使いは城下町を通って男の所へ向かいました。少年にとっては初めての町だったので、どうしても目移りしてしまいます。
「気になる?」
ホルトゥンはそんな少年の様子に気づいて聞きました。
「うん。こんな町初めてだから」
「来て良かった?」
「・・・・・・どうかな」
少年は少し考え込みました。
「僕はさらわれた妹を捜して旅をしてるんだ。だからそんなことが無ければ旅に出ることもなかった。町に来ること自体はいいんだけど・・・・・・」
「妹がさらわれるのはごめん?」
「そう。当たり前だけど」
「そうか・・・・・・」
ホルトゥンは遠くを見やりました。

しばらく歩くと屋敷ばかり建ち並ぶ区域にやってきました。
「ほら、着いたよ。この家だ」
ホルトゥンは立ち並ぶ屋敷の一つの前で立ち止まりました。他の屋敷に比べても大きい屋敷でした。
「え、ここなの・・・・・・?」
「そうだよ。・・・・・・この子がさっき言った子供だ。客として丁重にもてなした方がいいぞ」
ホルトゥンはその屋敷の門番にそう言って少年の背を押しました。
「じゃあ、僕は仕事があるからこれで。また会おう」
ホルトゥンはくるりと少年に背を向けて立ち去りました。

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