FC2ブログ


北の海の魔女 45.0

†††45.0

「王様にお伝えすると言っていたことは本当なの?」
男は西の国南西の街ランフェンの郊外に軍が結成されつつある、ということを王様に伝えねばならない、と嘘をついていた。
あの嘘も本当だったのか少年は聞いているのだ。
「・・・・・・本当だ。私は西の国へ出向いた施設団の一人だ。我々はランフェンでの軍結成の報を受け、すぐにも王様へお知らせせねばならなかった。そして、私の母が危篤だと西の国を偽って伝令のために帰ってきたのだ」
「ランフェンで軍が起こると・・・・・・この東の国と戦になるの?」
「まだわからないが、その可能性は高い。東と西の軋轢は今に始まったことじゃない。長年にわたるものなのだ。それが今吹き出そうとしているのかもしれない」
「王様にはもう・・・・・・」
「お耳には入れた。じきにこの国は警戒態勢に入るだろう」
「そう・・・・・・」
「ところで」
男は少し重くなった空気を変えようとしたのか声色を変えて言いました。
「君はどうして都に来たかったんだい?」
少年は妹が『北の海の魔女』にさらわれてしまったこと、少年は妹を捜して旅をしていることを伝えました。
「北の海の魔女、か・・・・・・。あれに関してはあまりいい話は聞かないな」
「知ってるの?」
少年はこの旅で初めて魔女を知っている人間に会ったので興奮して聞きました。
「ああ、奴は文字通り北の海の島の一つを根城にしている魔法使いだ。長年にわたり人との接触を断ち、悪事を為していると聞く」
「悪事?」
「ああ。詳しくは知らないがなんでも強大な魔法を作り出そうとしているとか」
「東の国は何かしてるの?」
「魔女に対してか?昔はしていたんだが、島に行こうとする者は皆ひどい目にあったそうだ。以来奴は放置されている」
「・・・・・・どうすれば島に行けるかな?」
「さあ、こればっかりは・・・・・・。・・・・・・王様にお会いしてお聞きするか?」
「えっ?そんなことしてもいいの?」
「私を助けてくれたんだ、それくらいはいいだろう。こう見えても私はけっこう偉い臣下なのだよ?」
そう言って男はにやりと笑いました。


†††
関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)